【完】白衣とお菓子といたずらと
今日も賑やかです
「意外ですねー」
「え?マジですか?いいんですか、あいつで」
「やっとですか」
俺の目の前にいるのは、意外といいながらも笑っている大山と、異常なほどに驚いている香坂、そしてニヤニヤと気持ちの悪い笑いを浮かべている池田の3人。それにしても、こいつらが揃うと、何でこんなにも騒がしいのか。
そもそもこの3人がなぜ揃ってここにいるのかというと、週末の外泊を終えて入院生活が再び始まった今日、話があると俺が病室に呼んだからだ。
そして、美沙と付き合い出したことを報告した。
なんだかんだ俺の事を慕ってくれているこいつらには隠したくなかったから。ちゃんと美沙に許可も取っている。
こいつらに知られるのを「面倒くさい」と言って、ちょっと渋ってはいたけれど、嘘ついたり隠すのも嫌だと言って、承諾してくれた。あの時の、1人で考え込んでブツブツと何か呟いて百面相していた美沙も可愛かったな。
「山下さん、顔緩んでますよ。そういうの俺、要らないです」
……完全に忘れていた。
呆れたような顔をした言う池田に、こいつらと一緒だったことを思い出さされた。
ダメだ、2人で過ごした週末を思い出して、目の前が見えていなかった。完全にトリップしてしまっていた。
「あー、悪い悪い」
苦笑を浮かべながら、3人に謝った。
3人はそんな俺を、今まで見たことないような優しい目で笑っていた。いや、よく見たら3人ではなくて2人だった。
香坂1人、納得いかないような複雑な顔をしていた。