【完】白衣とお菓子といたずらと
2度目、けれど初めての夜
「晃さんありがとう。姉ちゃんもありがとな、助かった」
「七瀬を助けてくれたんだし、これくらいお礼言われることではないよ」
「今日も迎えに行っただけだからね。この後は彼女が来てくれるみたいだし、晃私達は帰りましょう」
約束通りに、姉ちゃんと姉ちゃんの旦那である晃さんが病院に迎えに来てくれた。
最低限の生活必需品を買いに、スーパーにだけ寄り道をした。
今日の食材は美沙が仕事終わりに買ってきてくれるらしく、飲みものくらいしか買わなかった。
けれど、俺は一言も姉ちゃんに美沙が来るとは言っていない。
まさかとは思うけど、そういうことだよな。
「俺何も言ってないよな?」
「うん、あんたからは聞いてない。美沙ちゃんに、直接メールで聞いたのよ」
「勝手に連絡取るなよな」
「いいじゃない、私はあんたの姉なんだから彼女とメールしても」
「絶対姉ちゃん余計な事言うだろ?」
「それは……善処するからいいじゃない」
この人は……正直すぎる。ここは大丈夫って言うところだろ。
俺の気のせいでなければ、善処って、連絡とる気満々だよな。
「はぁーーー」
俺は大きくため息をついた。
「絶対にメールするなとまでは言わないけど、頻繁にするのはやめろよな」
せめて、頻繁に連絡することだけはやめて欲しい。
なんでそこまで嫌がるのかって聞かれると困るけれど、なんか嫌なんだ。
「分かったわよ。その代わりに、あんたからも話聞かせてよね」
「はいはい、分かったよ」