【完】白衣とお菓子といたずらと
仕事復帰、そして決断
俺が退院して、美沙と初めての夜を迎えてから、彼女は度々俺の家に訪れてくれるようになった。


彼女が仕事終わりや週末に来てくれる感じだ。


仕事復帰してない俺が、ただ待っているだけにもいかないと思って、久しぶりに家事に徹した。


最近、ほとんど料理もしてなかったしな。


疲れて帰ってくる彼女を癒してあげたいというか、彼女にとって気を張らなくていい、安心できる場所にしてあげたいという想いが強かった。


けれど、そんな日々も終わり。


明日から、俺は仕事復帰をする。


12月1日からということだったけれど、12月の勤務から俺も復帰するという形らしい。休日の関係もあって、実際には3日から働く事になった。


病棟に確認したら、しばらくは平日に日勤帯で働いて、休日出勤・夜勤はクリスマスからとなるらしい。


……クリスマスか。


もう少し先だけれど、美沙と少しでも過ごせるだろうか。


夜勤が始まってしまえば、これからすれ違いになることが増えるんじゃないかと、ふと不安になった。


看護師の離婚率が高いのも、だいたいすれ違いが多くなる事が原因だもんな。


……じゃあ、俺たちは?


考えれば考えるほど、不安が強くなっていく。


「よし、せめて……」


些細な抵抗にしかならないかもしれないが、解決策になるかもしれないと、思い浮かんだ事を実行するために、出かける事にした。彼女がここに来る前に済ませてしまおう。
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