【完】白衣とお菓子といたずらと
なんとか欲望を抑えられた俺の葛藤を知らない彼女は、今日は泊まっていくという。


大丈夫かなと心配になっていたけれど、そんな必要はなかった。


俺が先に入浴を済ませ、ベッドに横になった状態で彼女のことを待っていた。


けれど眠ってしまっていた……らしい。


覚えているのはそこまでで、ハッと気づいたときには時計は朝の5時を指していた。


自分で思っていた以上に、仕事で疲れていたらしい。


ムクリと起き上がり、隣を見るとスヤスヤと眠る美沙がいた。


布団も自分で掛けた記憶はないから、きっと彼女が掛けてくれたんだろう。


そっと頬に触れると、眠ったままの彼女が微笑んだ。


穏やかな朝と、隣にいる彼女の存在に、心の奥が温かくなるのを感じた。


きっとこういう気持ちを幸せって言うんだろうな。


愛おしい彼女を見つめながら思った。
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