【完】白衣とお菓子といたずらと
「要約すると、ムカつくくらい仲が良いって事ですよね」


俺の思考がトリップしかけていると、大山がすこし拗ねていた。


『俺も彼女が欲しい』と言っていたのは聞こえなかった事にするべきなのか。触れたら触れたで、俺だけってうるさいからな。ここは無視でいこう。


「惚気はそろそろいいですよ。はい、次、次。次開けましょうよ」


負のオーラを出しそうな大山を池田が慌てて止めていた。


そうだよな、こうやって4人で飲むのも久しぶりだし、楽しむか。


少し位羽目をはずしてもらっても構わない。


みんな明日はここから出勤する事になっているし、店で飲むときほどは時間を気にしなくていいからな。


「つまみも取ってくるから、自由に飲んでろ」


「「「はーい」」」


新しい缶ビールに手を伸ばしながら、特に俺を見ることなく、返事は返ってきた。


なんだかんだこいつらが可愛いんだよな。


3人の騒ぐ声を背に、自然と口元が緩んでいた。
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