【完】白衣とお菓子といたずらと
「はい、どうぞ」


「ありがとう」


淹れたてのカフェオレが熱すぎたのか、フーフーと冷ましながら彼女が口元に持っていく。


けれどまだ飲めそうになかったのか、残念そうにテーブルの上に戻した。


さて、そろそろ話しに移ろうか。というか、彼女から話して欲しいんだけどな。


そう思って彼女の事をじっと見つめた。


「……はいはい、ちゃんと話しますよ」


「そうしてもらっていいかな?まず、俺が何に対して怒ってたか分かる?」


「うん、もちろん。内緒で出かけていたからでしょ?」


「自覚……あるんだ」


彼女の言葉から、敢えて言わなかったということが分かる。確信犯とか1番傷つくんだけどな。理由を聞いてみようか。


「で?どうして黙ってたのかな?」


「だって……」


ここまで来て何を渋っているんだろう。ますます怪しく感じてしまうじゃないか。


「だって……何?」


自分でも驚くくらい冷たい言葉になってしまった。さすがに今は優しくは出来ないみたいだ。
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