【完】白衣とお菓子といたずらと
「あっ、来た来た」

「「お待ちしてましたー」」


本当に待っていたらしい3人が、俺がリハ室に入ると同時ににやにやしながら寄ってくる。


「小川さんが言っていた通りに、マジで居たよ。お前ら、働けよ」


本当にこいつらには呆れる。


「この為に全力で仕事終わらせたんで」


大山の言葉に、残り2人もうんうんと頷いていた。


「……私はまだ仕事中で、リハビリしなきゃいけないんで、どいてもらえますか?」


そんな俺達のやり取りをぶった切るのは、行く手を阻まれた小川さんだった。


俺の前では今まで見せなかったような、とても冷たい空気を纏っていた。


というより、言葉に鋭い棘を感じた。


仕事の邪魔をされているようなもんだから、こいつら3人が悪いんだけどな。


「ごめんね、ついさ」


「話したいなら病室を後から尋ねればいいじゃないですか」


冷静に答えたのは池田だった。


けれどそれにも、彼女は少し怒ったように答えた。


「悪かったって、俺達は遠目に見てるから。もう邪魔はしない」


小川さんの気迫というか、雰囲気に負け、3人はさっさと引っ込んでしまった。


まぁ、俺もこっちの方が助かるからありがたい。


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