【完】白衣とお菓子といたずらと
それから小川さんと姉ちゃんは事務的に話をしていた。
その間七瀬も小川さんがさっきまで食べていた物と同じ物を冷蔵庫から取り出すと、おいしそうにもぐもぐと食べていた。
「山下さん、お邪魔しました」
姉ちゃんとの話しが終わったかと思うと、小川さんはさっさと帰ってしまった。
いつもと違う言葉を残して。
壁が出来たように感じて、急に不安になった。少しずつ壁がなくなってきていると感じていたのに。
そして俺は、いつもの「ごちそうさま」のほうが好きだ。
俺の姉と姪がいるんだ。少しくらい畏まったって、それが普通の事なんだよな。
落ち込みそうになったけど、まだ病室には姉ちゃんと七瀬がいる。
とくにこういう事に敏い姉だ、絶対にバレないように隠さなければと思い、感情は押し殺した。
「じゃあ、また来週よろしくね。よい週末を」
俺もいつもより極力あっさりと見送った。
これで姉には何も思われなかった……はずだ。
扉が閉まり、小川さんの姿が見えなくなったと思ったら、姉が急に声をあげた。
「あっ、そうだ」
急な声に俺と七瀬は、2人してビクッと驚いてしまった。
そんな俺達のことは全く見えていない様子で、姉もバタバタと病室を出て行ってしまった。
……一体、何だったんだ。
静かに閉まる扉を、ただじっと見つめた。
その間七瀬も小川さんがさっきまで食べていた物と同じ物を冷蔵庫から取り出すと、おいしそうにもぐもぐと食べていた。
「山下さん、お邪魔しました」
姉ちゃんとの話しが終わったかと思うと、小川さんはさっさと帰ってしまった。
いつもと違う言葉を残して。
壁が出来たように感じて、急に不安になった。少しずつ壁がなくなってきていると感じていたのに。
そして俺は、いつもの「ごちそうさま」のほうが好きだ。
俺の姉と姪がいるんだ。少しくらい畏まったって、それが普通の事なんだよな。
落ち込みそうになったけど、まだ病室には姉ちゃんと七瀬がいる。
とくにこういう事に敏い姉だ、絶対にバレないように隠さなければと思い、感情は押し殺した。
「じゃあ、また来週よろしくね。よい週末を」
俺もいつもより極力あっさりと見送った。
これで姉には何も思われなかった……はずだ。
扉が閉まり、小川さんの姿が見えなくなったと思ったら、姉が急に声をあげた。
「あっ、そうだ」
急な声に俺と七瀬は、2人してビクッと驚いてしまった。
そんな俺達のことは全く見えていない様子で、姉もバタバタと病室を出て行ってしまった。
……一体、何だったんだ。
静かに閉まる扉を、ただじっと見つめた。