【完】白衣とお菓子といたずらと
とりあえず、連絡先を電話帳へと登録した。


【小川 美沙】
この名前がここにあることが嬉しくて、ニヤニヤと口元が緩んでしまった。


俺が怪我をして入院しなかったら、こんな事起こらなかっただろうと思うと、怪我の原因になった姪っ子に、感謝したいくらいの気持ちになった。


彼女が作ってくれた俺でも食べられる甘さ控えめなクッキーは、とてもおいしくて、自分でも驚くほど手が止まらなかった。お菓子を一度にこんなに食べるなんて、普段の俺では考えられない。


手作りだという事が、俺にだけ抜群に効くスパイスなんじゃないかって、馬鹿なことまで考えた。


至ってシンプルに、プレゼントのお礼だけをメールで送った。


そうすると、彼女からすぐに返信があったが、彼女もキスのことには一切触れてこなかった。


特にメールを続けることなく、やりとりは終了した。


ひとまず、今日はここまででいいだろう。


後は、明日から俺はどう行動していこうか……
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