【完】白衣とお菓子といたずらと
池田を犠牲にしての出来事だったのは、少し申し訳ない。


だからお詫びも兼ねて、昨日の話を池田にだけ教えることにした。


俺が話をしている間、池田は一応黙って聞いていた。


……あくまで一応な。


話を遮ったりは一切なかったけれど、表情は全く黙っていなかった。


少しずつ話しが進むにつれ、分かりやすくニヤニヤと……


池田の表情に、正直イラっとした。けれど、他にこんな話を話せる相手は居ないから、誰かに聞いてほしかったっていうのもあり、最後まで途切れさせずに話をした。


客観的に見て、彼女の気持ちはどう見えるのか、知りたいというのもあった。


確信もなく、1人舞い上がって、結局は撃沈なんてのは避けたい次第だ。玉砕したら、玉砕しただー!なんて言えるほど、俺ももう若くはないしな。
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