【完】白衣とお菓子といたずらと
「……どう思う?」


俺の言葉に目を見開いて池田は驚いている。そんな大きくリアクションとらなくてもいいじゃないか。


「いやいやいや。それ、もうあからさまでしょう」


期待していることが、本当であって欲しいと思う一方、信じられない気持ちも拭いきれない。


「今までそのもしかしてを全く考えていなかったからな。期待してもいいのか、ダメなのか判断がつかなくて」


「期待って……じゃあ、逆に山下さんはどうなんですか?小川のことどう思っているんですか?」


……そっか。まだ俺の気持ちはちゃんと話していなかったな。


分かってもらっているつもりで話してしまっていた。


俺がどう思っているかなんて、そんなの簡単な話だ。






「好きだよ。小川さんの事」





迷いなく答えた。もう気持ちははっきりしている。


俺の答えを聞いて、嬉しそうに池田は笑った。


「じゃあ悩むことないですよ。せっかく分かりやすく小川が行動したんですから、今度は山下さんから動くべきですよ。小川もそれを待ってるんじゃないですか?俺達の慕っている兄貴分として、男を見せてくださいよ」


俺達の慕っているか……なんか、むず痒いけど、嬉しい言葉だ。


そうだよな。小川さんの行動にばかり任せていてはダメだ。


俺からちゃんと話をしないと。

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