【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


「不安…なの---」


普段、勝気な私が思わず零した弱音に、隆之さんの息を飲む音が聞えてきた。




相当、驚いているのだろう。


こんなに弱っている私を多分、見た事がないから---




「母さんの事…。私の赤い瞳の秘密---。何もかも全てが分かった時の事を考えると、凄く怖くなってしまって…」


得たいの知れない何かに捕らえられる感覚に、身体が震える。



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