【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「そっか…。私も隆之さんの声が凄く聞きたかったの。今度はこっちから電話するね」
「あぁ、待ってる。じゃ、またな」
「電話ありがとう。………おやすみなさい」
「おやすみ、綾香」
プツッ---
通話を終了させスマホを胸元に寄せた。
うん、大丈夫---
隆之さんの声を聞いたおかげで、凄く元気が出てきた。
よしッ!
御飯でも食べに行いますか。
スマホをポケットに入れ、私は寮の食堂へと向かう事にした。
その足取りは自然と軽やかだった。