【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
三章 集う星々達
朝のホームルームの時間とになり、佐伯先生が教室へと入ってきた。
教室に入ってすぐ、先生の視線は私へと向かう。
何となく顔を合わせずらかった私は、すぐに窓へと顔を向けた。
暫く先生の話しを顔を背けたまま聞いていたが、視線だけをチラリ…と先生へと向けると、もう私の事など見てはいなかった。
ほっと息をつき、それから私はジッと先生を観察するように見た。
「赤ん坊の頃…、この辺りに…」
住んでいたか?
ボソリと呟きながら昨日、最後に放った先生の言葉を思い出す。
何故、先生がいきなり私にこんな質問をしてきたのだろうか?
凄く気になる…。
もしかしたらそんなに大した話しじゃないかもしれないけれど---