【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
身構えるほどじゃなさそうだから、聞いてみようか?
…ううん。
やっぱり今は止めておこう。
そして視線をまた、窓の外へと移す。
今日も天気が良くて気持ちのいい日だ…と、窓から入り込んでくる心地良い春の風に瞳を瞑った。
外で日向ぼっこしたら、気持ちがいいだろうな---
ボンヤリと頭の中でそう思いながら…、
あぁ、そうだ。
二時間目は佐伯先生の授業だったなぁと思い出す。
先生の顔、また見るの嫌だし授業にも出たくはない。
佐伯先生の授業…、
サボってしまおうか?
そんな考えが過ぎる。
またサボったら怒られる…、よね?
やっぱりサボるのは止めよう---
そう心に決めたところで、朝のHR終了のチャイムが聞こえてきた。