【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


「素敵なところ…」




木に寄りかかり瞳を閉じた。


すると波立っていた心も、不思議と穏やかになって来る。




暫くそのままジッと耳を澄ましていたのだけれど、カサカサと葉を踏み鳴らす音が聞えてきた為、目を開けて辺りを見渡した。


少し奥の方から、人影がこちらに近づいてくる---




こんな時間に、


誰がこんなところまで来たの?




今は授業中なのに---


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