【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
私は目と耳がいいんです…、
それだけで副会長が納得してくれそうにもない---
だったらここは何も言わない方がいい?
そう思い、この場から去ろうと決意する。
何も言わずジッと見られてるのも、居心地悪いしね。
「もう、校舎に戻ります。さようなら」
サボるのを早々に諦めた私はそう告げ、踵を返す。
「…待って下さい」
さっさとその場から去りたかったのにまだ用があるのか、呼び止められてしまった---
「…何でしょう?」
「名前は…、なんと言うんですか?」