【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
思わず生徒会室で見た綾香を思い出し、俺自身がまた熱くなり始めた。
ほんとなにやってんだ、俺?
どうにも情けない自分に腹が立ち苛立ちを抑える為、女子寮から程近い木に座り込む。
そして木に凭れかかり、深い溜息をはいた。
「はぁぁぁぁ………」
ダメだ…、
全く身体の火照りが収まらねぇ。
バリバリ頭を掻きながら、もう一度溜息をはいた所で…、
奥の小道から人影がこちらに向かって来るのに気がついた。