【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


あっという間に登った綾香はその後、三階の自分の部屋らしきバルコニーの所へ軽々と飛びのりそのまま部屋へと入っていった。



すぐにその部屋からは明かりが灯る---




ほんと…、


女にしておくには勿体ねぇーヤツだよな。




「フゥー…」


ダメだ---


ここにいれば少しは落ち着くかと思った身体の熱が、一段と強くなった。




理由は…、


今、俺の目の前に姿を現した綾香のせいだってのは分かる。




「あぁぁー、イライラする!」



ムカつくと思いながらも、その元凶である明かりの灯ったばかりの部屋を見た。


その部屋を見ると何故だか胸が締め付けられる。




そして…、


身体が熱くて熱くてたまらねぇ---



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