【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


それなのに俺の母様と同じ赤い目…、


いや、母様の色よりもっと濃い紅色だった。




そして強い生命力を感じた綾香のその瞳。


比べて俺の母親の瞳から感じたのは、弱々しく絶望を帯びていた。



綾香の瞳とは全く違う。




髪色だって綾香は黒だし、皮膚も肌色---


それなのに瞳は紅色だった。




普通の人間なら絶対に持つ事はない、赤色の瞳---


綾香はアルビノとは違うのだろうか?




『紅』に初めて出会ったのは夜だったし、パーカーを被っていたから顔は見えなかった。


だから肌色とか髪色とは分からなかったけど瞳の色が紅色だと聞いていたから、俺の母親と同じアルビノだと思って『紅』に興味が出たのだ。




母様はアルビノと言う理由で親戚や近所の人達からは奇異の目で見られ、そして心の弱い母様は---


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