【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
いつから私は良牙の飼い主になったの?
…………
って違ーう!!
頭の中で一人、自分に突っ込みながら溜息をつく。
学校に行くか---
サボるのを諦めた私は、良牙のもとへと歩いた。
私が歩き出したのを確認すると、良牙も足を動かす。
その歩幅は私に合わせるように、ゆっくりと---
何だかな---
いつの間にか良牙は私の後ろへとつき、そして黙々と私の背を追いかけるように歩いていた。