【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「なに…、これ………」
下駄箱で上履きに履き替えようと自分の棚に視線を向け、そしてそのままピタリと身体が固まってしまった。
只今、思考停止中--
んー?
これ…、私の上履きだよね?
目の前にある私の上履きは無残にも、画鋲がビッシリとついていたのだ。
「す…、凄い」
一つ一つ上履きにビッシリとついている画鋲はもう、まるでアート。
隙間なく画鋲をはめ込んでいる私の上履きに、息を飲む。
間違いなくこれは芸術作品だった---