【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


疲れた---




ユックリ歩を進めていた足を止めた。



瞬間、フワリと柔らかい夜風が私の頬を掠め瞳を閉じる。




あぁ…、


春の香りが心地良い---




優しく私を包むその空気に酔いしれながら、ポツリと一つ呟いた。




「…紅い………瞳…か……」


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