【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


「お前、俺に嫉妬してるのか?」


「なっ…」



自分がいつものチャラチャラしている雰囲気とはまるで違う事に、コイツは気づいてんのか?



人の事などいつもは気にも留めないこいつはきっと時雨と同じくらい、綾香の事が好きなんだと言っているようなもの。


…あぁ、玄武や青治・朱雀も綾香の事が好きなんだっけ…と、急がなければならない状況にも関わらず楽しげに目を細めた。




そんな俺を睨みつけながら、早く答えろと急かしてくる白虎に口を開く。




「これは綾香と俺との秘密だ」


「フザケンナッ!」



クッと笑いながら言ってみれば、俺を睨みつける度合いが増す。


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