【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
と、人数確認をしている内に黒服達が後から後からやって来た。
何なのよ、この人数は?
私が呆気に取られている間にも、恢は次々に迫り来る黒服へと襲い掛かっていった。
銃弾を軽々と避ける黒い獣の動きは素早く、目が追いつかない。
パワーもかなりあるのか、やられた者の傍には血の海があっという間に出来てしまっていた。
首に噛み付いてへし折るなど、何とも残虐な戦いをする黒ヒョウにゾッと背筋に寒気が走った。
けれどそれも一瞬。
恢にばかりまかせてはいられないと、私も動き出す。
パンパン---
扉を抜けた私は黒服から飛び出す銃弾をヒラリと避けながら、恢とは逆の通路から来た人達を次々と思いっきり拳や蹴りを喰らわせ気絶させた。
恢の様に死なせるなんて出来ないけど、それでも一撃で気絶させる事は出来る。
戦いながら、チラリ…と逆の通路へと視線を向けた。
黒ヒョウとなって戦っている、恢は本当に凄い。
気迫が凄まじくその戦いぶりに、見惚れている自分がいた。