【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「ごめんね…、蓮」
「そう思うんなら…、お前からキスしろ」
さっきまでの表情はどうしたの?
と言いたいくなる程、意地の悪い顔でそう言ってきた蓮を睨んだ。
けどやっぱり悪いのは私なんだよね…。
反省も踏まえて、私は蓮の頬に軽くキスした。
チュッ---
リップ音を鳴らしてから顔を離すと、ニッと笑う蓮と視線が合う。
ってこんな事をしている場合ではないみたいだ。
「…ッ!」
「チッ」
敵も後、十人を切り全て良牙一人で闘っていた。
しかし今、その内の数人の敵が私達に向かって走って来たのを視界に捕らえ蓮は軽く舌打ちしたのだ。
抱き合っていた身体を離し、一斉に攻撃を開始した。