【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
あれからどのくらい時間が経ったのだろうか…。
ようやく全ての敵を倒し、ひと段落したところで声がかかる。
「システムを解除した。そろそろ出るぞ」
父さんの言葉に私と良牙、蓮は頷き父さんのもとへと急ぐ。
良牙は母さんを抱きかかえようとしていたが、それを父さんに止められた。
「良牙…。母さんはわたしが連れて行く」
「………」
「良牙…、今まで何も言えなくてごめんね」
「訳はここを出てから聞くし、気にしてない」
ちょっと拗ねた顔を見せている良牙に、プッと笑ってしまった。
そんな私を物凄い形相で良牙は睨んできたけど、それさえも可愛いなと顔がにやける。