【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「うるせぇ。疲れてんだからさっさと座るぞ」
「う、うん」
私の手を取りソファーにドカリと座った後、それにつられるように私も蓮の横に座る。
私の後ろを着いて来ていた良牙は、私の前に腰掛けた。
「蓮…、綾香に引っ付きすぎじゃねぇか?」
「………」
鏡夜はそう言いながら、私の隣に座る。
そして鏡夜と蓮は私を挟んで睨み合いを開始したのだ。
どうにも険悪な二人の様子に首をコテンと傾げる。
二人は何で喧嘩をしているのだろうか?
ま、私が気にしてもしょうがないか。
一人納得してると、左側から視線を感じそちらを見た。
一人掛けソファーに座っている章吾からの視線だった。