【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
「そうだ、綾香」
ホッ息を吐きながらココアを飲んでいたところで、目の前に座る赤い髪の双子の片割れ朱利に名を呼ばれた。
「ん?」
「綾香には生徒会の補佐をやってもらうから」
「………」
朱利さん?
あなたはいきなり、何をおっしゃっているの?
ジットリした私の視線などお構いなしに、今度は朱利の隣にいた青治が口を開く。
「これ、決定事項ね」
紅茶を片手に持ち、ニッコリ微笑む青治に唖然としてしまった。
まるで体育際実行委員長を勝手に決められた時みたいに、また勝手に事を進めようとしている?