【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~


「そうだ、綾香」


ホッ息を吐きながらココアを飲んでいたところで、目の前に座る赤い髪の双子の片割れ朱利に名を呼ばれた。




「ん?」


「綾香には生徒会の補佐をやってもらうから」


「………」



朱利さん?


あなたはいきなり、何をおっしゃっているの?



ジットリした私の視線などお構いなしに、今度は朱利の隣にいた青治が口を開く。




「これ、決定事項ね」



紅茶を片手に持ち、ニッコリ微笑む青治に唖然としてしまった。


まるで体育際実行委員長を勝手に決められた時みたいに、また勝手に事を進めようとしている?




< 756 / 779 >

この作品をシェア

pagetop