【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
体の体温が上がったまま体育館へと足を進めた。
移動中、未唯には顔が赤いと指摘されてしまって
余計に恥ずかしくなった。
体育館へ着くともう1年生は座っていた。
あたしたちも素早く等間隔に並べられた椅子に腰を下ろした。
それから間もなく、校長の暑苦しい話が始まった。
自由に座れるから隣は未唯で、退屈ではなかったけれど、
ずっと座っていたからか、なんだか
疲れてしまって…。
まだ心臓も落ち着いてないのに……
さらに疲れるなんて…
なんて思っているとあたしの意識は途切れてしまった。