【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「……い、舞衣っ!!」
ん??
あたしの体を小刻みに揺らしながら
小声で叫んでいる未唯の声が……
あたしは少し重い目を頑張って開け隣に座る未唯を見た。
「舞衣、起きて!!」
「えっ!?」
あたしは校長の話の途中で眠ってしまった事を理解した。
「退屈なのはわかるけど、
担任に見つかるとうざいよ??」
あ、そうだ……
あたしたちの担任は
大事な時に寝ている生徒を見つけると罰を与える。
というなんとも面倒くさいものがある。
罰がなんなのかはその時の担任しだい……
「そうだったね……ありがとう、未唯……」
あたしがそう言うと、未唯は柔らかく微笑んだ。