【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
蒼の腕を首に回し、
ゆっくり立ち上がり
自分の家の方向へ向かって歩いた。
だって…知らないから…
蒼の家…。
ゆっくりだったけれど、
ようやく家に着き、あたしは蒼を
引きづりながら自分の家に入れた。
「た、だいま……」
「おかえ、り……?どうした??」
「彼、熱…熱あって…!!」
「分かったとりあえずベッドに寝かせるか」
そう言ってお兄ちゃんが蒼をおんぶして
2回のあたしの部屋へと連れて行ってくれた。
「舞衣の部屋でよかったのか?」
「うん、大丈夫!あたしの彼氏だから…?」
なんか恥ずかしくて
尋ねるような言い方をしてしまった。
「そっか!ちゃんと看病してやりな。」
「う、うん!」
お兄ちゃんはあたしに冷たく濡らしたタオルを渡した。