【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「蒼……大丈夫……??」
熱が出るのなんて当たり前だよね……
あたしを待って眠ってたんだもんね……
あんな寒いところで……
もう12月なんだよ??
寒いに決まってるのに……。
「ごめんね……蒼。あたしのせいで……っ」
「舞衣……泣くなって。俺、大丈夫だよ?」
蒼の手があたしの頬に触れた。
心臓が跳ね上がる。
「蒼……ごめん……っ!!」
「謝んなよ……、大丈夫だって。な?」
そう言いながら横になっている蒼があたしを抱きしめた。
恥ずかしくて布団に顔を沈めた。