【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「うなされてたけど、大丈夫か??」
あたしの背中は冬だというのに汗でぐっしょりだった。
「だ、大丈夫だよ……」
なんだったの?
あの夢……
怖かった。
蒼があたしから離れていくような気がして……
この夢が本当にならないことを祈るしかなかった。
「汗かいてるから早く着替えな舞衣。風邪ひくから。」
そう言ってあたしにタオルを渡してくれたお兄ちゃん。
「うん。ありがと……」
目が覚めた時、お兄ちゃんが居て
ちょっとだけ、心が落ち着いた。