【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「お兄ちゃん、やっぱ料理人向いてるよ。」
「舞衣、テンション下がってる時に言われてもな……」
「あ、ごめん。」
テンションあげられるわけないじゃん。
あんな夢見た後で……
「とにかく食べな。蒼くんと約束してるんだろ?」
「あ、家に来るよ。」
「うん、分かった。今日俺、家にいるから。」
「はーい。ごちそうさま。」
あたしはそう言いながら部屋に戻った。
そして携帯がチカチカ光ってることに気づいた。
「蒼かな……??」
あたしは携帯を手に取り、メールを見た。
【今から行くから!】
あたしはそのメールにホッとした……