【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
しばらくしてからチャイムが鳴った。
「舞衣~蒼くん来たぞ!」
と1階にいるお兄ちゃんの声が聞こえた。
あたしは「はーい」と返事をして1階に下りた。
「おはよ。舞衣。」
「おはよう蒼。」
蒼の笑顔を見ると、さっきまでの不安と恐怖がどこかに吹っ飛んでしまった。
蒼は玄関であたしを抱きしめた。
「舞衣、少し早いけど、メリークリスマス。」
「蒼っ!!」
あたしは蒼にもっと強く抱き着いた。
「舞衣。」
「んっ……」
蒼の優しくて暖かいキスが落とされた。