【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
1階に下り、食卓を3人で囲んだ。
「舞衣、昼食べなくて大丈夫だったか?」
「うん。平気。眠ってたから、知らなかった。」
「そっか。」
まるで家族のように他愛もない話をして笑った。
久しぶりだった。
こんなに大声で笑ったのは……
「ごちそうさまでした。」
「ごちそうさまお兄ちゃん。」
「いえいえ。あ、食器はそのままでいいよ、俺するから。」
「あ、すみません。」
お兄ちゃんは食べた食器を運ぼうとした蒼にそう言った。
あたしと蒼はあたしの部屋へと戻った。
「舞衣、俺そろそろ帰るな。」
「ねえ、また冬休み中会える?」