【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「イチョウの木の下に居る。」
「分かった。」
そう言って蒼は家を出て行った。
「舞衣?蒼くん帰ったのか?」
「うん!帰った。」
「送らなくてよかったのか?」
「うん、よかったみたい。」
あたしは部屋へ戻った。
あの夢、正夢にならなくてよかった。
あたしはホッと胸を撫でおろした。
あたしがホッとしたとき、お兄ちゃんがあたしの肩を抱き寄せた。
そして、
「大丈夫か?」
と一言。