【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「じゃあ、行ってきます!!お兄ちゃんも受験頑張ってね!!」
「うん、行ってくる。行ってらっしゃい!舞衣。楽しんで来い」
あたしはお兄ちゃんに手を振って重いバックを持って走った。
「舞衣!!」
聞きなれた幼馴染の声が聞こえた。
「おはよう圭!
圭遅刻するって思ったのに……」
とあたしが笑うと、
「ふざけんなよ?俺はこういう時は
あんまり遅刻しないんだ!」
そう言って、腰に両手を置いて胸を張っていた。
そこ、自慢する所じゃ無いよね……
こういう時はって言っちゃってるし…
なんて思いながらも圭と、
バスに乗り込んだ。
もうそこにはコウくんも未唯も居てあたしたちの席を確保してくれていた。