【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
家の電気や、車のライトが光っていて1月の澄んだ夜空に輝く。
それはとても幻想的で、あたしの頬を一筋のしずくが伝った。
「舞衣……??」
「綺麗だね……。」
「うん。」
蒼はあたしの隣に座り、肩を抱き寄せた。
蒼の手があたしの肩に回ると心臓の音がさらに大きくなった。
「蒼……?」
「……」
突然静かになった隣を見ると蒼は寝息を立てていた。
「また寝てる……」
どこでも寝るんだね……
「ふふっ」
少しその光景が微笑ましくてつい笑ってしまった。