【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「舞衣、好きだよ」
そう言って蒼はあたしに触れるだけのキスを落とした。
しばらく抱きしめてくれた。
「そろそろ戻んねえとヤバいな……」
と耳元で呟く蒼。
「そうだね……」
あたしたちは立ち上がって旅館の部屋へと戻った。
それから翌日になり、別の場所に移動するため
旅館を出た。
今日は遊ぶというより、見学みたいなのが大きく占めてて
生徒たちはどこか不満気。
旅館の前に集合したあたしたち。
列に入ろうとしていたあたしは蒼と目があって、
鼓動が早くなった。