【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「何?姉貴。」
「顔色悪いけど大丈夫?」
こいつは俺の姉貴の桜井茜(あかね)。
母さんと一緒で看護師だ。
そして、、俺の事を“アオ”って呼ぶ、
たった一人の人だ。
なんでかわかんねえけど、
小さい時から“アオ”って呼ばれる。
「あぁ、頭ちょっと痛いだけ。平気。」
姉貴は誰よりも……
いや2番目に俺の体調の変化に気づく。
1番は“舞衣”だな。
「学校休む?」
「でも、休んで母さんにバレたら俺終わりだわ。」
「そうだけど、あんた体壊すよ?」
そう言われて俺は頷いた。
「じゃあ、学校に連絡しておくね!お姉ちゃん仕事行ってくるからー」
「行ってらっしゃい。」
そう言いながら姉貴は俺の部屋を出て行った。