【完】イチョウ~あたしは幸せでした~







俺、…ーー死ぬのか?


「…え、っと…」

言葉が出ねえ。

俺は親父の目を見つめるけど、
親父は悔しい!とでも言いたげな顔をして、
俺から目をそらした。


なんだよ。



親父は医者だろ?




俺を治せよ。






言いたかった。





けど…言えなかった……――――――





「蒼くん。」



「……俺、死ぬのか?」




そんな時だった……





♪~♪~♪




携帯が鳴ったのは。





ディスプレイに表示されたのは
愛する人の名前。





【舞衣】





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