【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
あの場所で【蒼side】*
昨夜、一日悩んで出した結果。
「俺、舞衣と別れる。」
「アオほんとにそれでいいの?その舞衣ちゃんて子、アオと離れたくないんじゃないかな?」
今日仕事が休みの姉貴が朝、
俺の話を聞いてくれてる。
「でも、あいつ、
俺が自分で言うのはちょっと気がひけるけど俺のこと大好きなんだよ。
俺が死ぬかもしれねぇなんて知ったら、
あいつが苦しい思いするじゃん。」
自惚れかもしれないけど、
舞衣は俺を好きだって言ってくれてるし、
きっとその方が……
「まぁ、アオが決めたのならなにも言わないけど、お姉ちゃんは、別れを告げられる方が辛いと思うよ。
別れってね…辛いんだよ。
まぁ…とりあえず体調が
いいなら学校行きな。」
姉貴は少し、寂しい顔をしたのち、
俺に学校に行くようにしむけた。
姉貴も親父も母さんも俺にいつも通りの接し方をしてくれている。
俺にとってはそれがありがたい。
みんな笑ってくれるし、
母さんも怒ってくれるし。
俺は3年になって初めての制服を着た。