【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「行ってきます。」
「うん、行ってらっしゃい、アオ」
姉貴に見送られ俺は家を出た。
そしてイヤホンを耳にはめ、歩いた。
あっという間に学校に着いた。
俺は確か、Bだったよな。
担任から電話がかかってきてそう言ってた。
「ここだ。」
「あ!!蒼!!」
この声舞衣だ……
「おはよう。」
「おはよー!!入ろう!」
そう言って教室に入ろうとした舞衣の腕をつかんで引き留めた。
「蒼?」
「放課後、大事な話がある。
だから“あの場所”で待ってて。」
そう言って舞衣の手を離し宮城が指差してる席に座った。
「ん?うん、分かった!」
舞衣の笑顔が苦しい…。
嬉しいのに、大好きな笑顔に会えたのに…
苦しい…