【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
──キーンコーン……
俺は放課後になるまでずっと教室には戻らずイチョウの木の下(ここ)に居た。
叫びも届かないのかよ。
俺はどうやって
残りの命を生きていけばいい?
舞衣と居られないのなんて、
死んだ方がマシだよ…っ
別れたくねぇよ…
別れたく…ねぇんだよ…。
涙が止まらなかった。
「俺、なんで泣いてんだろ…
バカみてえだよ。かっこ悪。」
泣いていた理由は分かっているはずなのに、
分からないようにしている自分がいる…。
そうだ。宮城に話したんだっけ?
それで我慢してたんだっけ?
だから泣いてるのか……
そうか俺、死ぬんだ……
思い出すとまた苦しい……
なんでか死ぬって考えると、舞衣の顔が思い浮かぶ……
なんでだよ……
離れようって思ってるのに……
離れたく…ねぇよ。