【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「待って!!」
パシッ!!
腕を掴まれた。
新谷くんが掴んでるところがだんだんと痛くなる。
「痛っ……」
「あ、ごめん……」
慌ててあたしから手を離した新谷くん。
「何…?」
「ごめん、さっきの聞いてて……いや、聞いてたわけじゃないけど
たまたま聞こえて……」
聞かれてたんだ……
「でも、平気だからだいじょう……ぶです……」
今泣いたら……
……え?
あたしは新谷くんの腕の中に居た。
「泣かなくていいよ、」
「え?…」