【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「え……」
「あ、わりっ。俺最近さ、左側全く動かねえんだわ。だんだん弱ってるなって実感してさ。でも、死なんて分かんなくてよ。」
……
蒼もたくさん苦しんでる。
あたしだけが辛いんじゃない。
「蒼!いいよ!蒼が左手使えなくても!あたしの左手あるし!」
とあたしは蒼の前に左手を差し出した。
なんて励ましていいか分からず、
わけわかんないこと口走ってる……
「ありがと。
じゃあ、俺の左手の代わりもしてくれるか?」
蒼はあたしの言葉にノッてくれた。