【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
お兄ちゃんの顔が真剣になった。
「俺、やっぱ大学行きたいんだ。」
お兄ちゃんの本音だった。
「お兄ちゃん!ありがとう!本音言ってくれて。」
お兄ちゃんの気持ちを初めて聞いた。
この際だからあたしの気持ちも言おう。
そしてあたしはそのまま続けた。
「あたしね、辛かった。お兄ちゃんが無理してるの。
大学行って!1年間ありがとう!これからはさ、
あたしがお兄ちゃんを支えたい!」
「舞衣……ありがとな……」
そう言いながらお兄ちゃんは大きな手で
あたしの頭を撫でてくれた。