【完】イチョウ~あたしは幸せでした~
「コウくん……?あ、大丈夫だよ?
コウくんの家と反対になっちゃうし……」
本当に真逆なんだよ……?
「送るよ。」
「舞衣、送ってもらって!危ないからさ!」
「うん。分かったじゃあ、コウくん帰ろう?」
この言葉が合図になったかのように、
コウくんとあたしは未唯の家を出た。
「コウくんがあたしを送っちゃうと、遠くなって危ないよ?」
「俺は平気。」
「でも……」
ホントに送ってもらうなんて悪い……
これは蒼にも言えることで……
そんなことを考えていると、
あたしの顔の前にコウくんの顔があった。
「大丈夫。だって俺男だから。」